6. CARD (2022-) by Nozomi
2022年11月1日、彼から一枚のカードを受け取りました。
THIS IS NOT A TANK-TOPのゴム印、それとたったひとつだけ穴の空いているカードです。
彼はいつも人や物の外面ではなく内面を特に大切にしている人でした。
それはアート作品に対しても同じです。
どうしてこの作品を作ろうと思ったのか、
どんな心境のときに作ったのか、
何を思って誰を想って作り上げたのか、
表面的なところだけではなく真髄を楽しんでいる、
そんな印象を受けました。
彼に出会う前のわたしはそういう意味でしっかりとアートに向き合ったことはなかったと思います。
けれどわたしはKONMASAというアートに出会いました。
なぜタンクトップを着続けるのか、
なぜもみあげを伸ばしているのか。
なぜ大量の穴を開けたのか。
そんな一つ一つの なぜ が繋がり、線となり理解への一歩になる。
理解がひとつ、またひとつと深まることで作品の持っている表情が変わるような気持ちになりました。
思考することを怠らず、常に刺激を求める。
そんな彼だからこその繊細で力強く、
生を実感するような作品。
知れば知るほど惹き込まれるKONMASAという人物。
そんな彼から受け取った一枚のカード。
目に映る部分ではなく当人同士にしかわからない繋がりがあることを意味するそれは、
個を尊重し寄り添い、人との繋がりを大切にする彼だからこその行動でありアートだと思います。
わたしの受け取ったカードがアート作品になったとき、
仮にわたしがまだ命を繋いでいるとしたらKONMASAという実在したアートを語り継ぐことを約束します。
わたしの人生にアートという色をつけてくれた存在を惜しむことなく時間の許すまで伝えたい。
河原温が彼に影響を与えたように、彼もまたわたしの人生に大きな影響を与えてくれたのです。
by Nozomi