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7. KONNANA (2023)  by yano
 

2020

 

遡ること、数年前、

 

渋谷に現れたのは、

黒のブーツ、緩めの黒パンツ、金髪にオン眉の前髪、

もみあげが異常に長い

 

「タンクトップ」だった。

 新しい職場の面接官として現れた

「タンクトップ」が、

私の世界に異物として入ってきたのだ。

 

気付けば、渋谷から名古屋市の果て有松に引っ越し、

KONMASAの曼荼羅の心中に巻き込まれていた。

そして、私はKONMASA一階のカフェエリアで店長を任された。

 

さまざまな鼓動が聞こえてきそうなビルだった。

他のアーティストやそこに立ち寄った全ての人の喜怒哀楽の鼓動が、ビルと調和していた。

そこには、綺麗なものばかりでは無く、畜生も存在していた。

 

時に、それらを対峙する彼は滅びそうだった。

そんな最中、彼は次々と作品を発表し、生き続けた。

 

「生きることが芸術なのだ」と謳う彼の作品は、

まさに人間らしく、暖かく、美しかった。

 

それから、月日が経ち、いつしか、あの日の面接官は、KONNANAになっていた。

 

 

等身大だった。

yano

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