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2. MEISO (2015-)


タンクトップを着始めてからは、流れでフォトグラファーとして活動した。
表現できるのであれば、手法は何でもよかった。
アシスタントを経験する中で、タンクトップフォトグラファーと呼ばれることもあった。
フォトグラファーとして生きていく傍ら、次々と作品制作に取り組んだ。
しかし、作品のコンセプトを考えることに違和感を覚えるようになった。
何かを表現するも、見せかけでしかない。
それでは自分は納得しない。
結果、何も分からなくなった。
ちょうどその頃、グッゲンハイム美術館で世界的コンテンポラリーアーティスト、
河原温の作品に出会った。
膨大な時間の経過に圧倒され、思考が追いつかない体験をした。
一体どれだけの人が、「自分」という存在を理解しているのだろうか。
この世の無常さに、宇宙や仏教について調べるようになった。
そこから自分の死についても考えるようになり、自死が過ることもあった。
そのため、考えることをやめた。
しかし、思考を堰き止める方法が分からず、服飾学生時代に使っていた縫針で、ただただ紙に穴を空け続けた。
そうしていると、いつの間にか雑念が消えていることに気がついた。
恐らくそれが自分にとって初めての瞑想体験だった。
2015年5月18日、穴を空けて描いた自画像を初めて作った。
撮影後にその紙はゴミ箱に捨てたが、
その時アートが何なのか少しだけ理解できたような気がした。
そうして私は、「自分」を見つめるため──無我の境地に達するため、
大量の穴を空ける行為でできた瞑想空間の制作を始めた。

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