9. MEISO ∞ TANK-TOPS (2023-)
和紙に大量の穴を空けた「MEISO (2015-)」は、自画像をベースとした作品が主であったが、
2023年からは核であるタンクトップを象ることにした。
この境地にたどり着くのに、気づけば8年が経過していた。
タンクトップの制作にあたっては、己に様々な制約を課した。
まず一つのタンクトップに対して、穴を9999回空けることとした。
さらに穴を空ける回数が初めて下記の数に達した時には、和紙を差し替え、また一から穴を空けることとした。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,
11,22,33,44,55,66,77,88,99,
111,222,333,444,555,666,777,888,999,
1111,2222,3333,4444,5555,6666,7777,8888
つまり一つのタンクトップを完成させるため、
36枚の和紙と55,530回穴を空ける行為を必要とした。
加えて同年から始めた「KONMEMO (2023-)」で着用していたタンクトップを本作品のモデルとし、
「KONMEMO」が001から002、002から003、003から004……と
着替えていく周期内(=99日間)に、上記の過程をすべて終えることとした。
最後にこれらの行程を永遠に繰り返すこととした。
それぞれの和紙にはスタンプを三つ押し、
左上には「THIS IS NOT A TANK-TOP」、
右下には「KONMEMO」で着用していたタンクトップのシリアルナンバー。
その下には穴を空けた回数を印した。
設定した数字に意図はなく、自分にとって実現可能ながらも困難な数を求めたに過ぎない。
ゾロ目としたのは、ただその羅列に美しさを覚えたからだ。
出来上がった和紙は木枠に額装し、障子のような仕上がりにする。
そうして幼少期、祖父の家の障子に穴を空けて怒られていたことに思いふける。
これが、KONMASAによる「MEISO」の真理であり、それはタンクトップなのだ。